スタッフブログ
【南相馬市】塗装が出来ない屋根!?無石綿スレートとは何か専門家が徹底解説!(桑島)
2024.03.22
スタッフブログ
南相馬市・相馬市・新地町・浪江町・双葉町・飯館村・葛尾村の皆様、こんにちは!
外壁塗装・屋根塗装専門店プロタイムズ南相馬店(郡山塗装)です。
今回のブログを執筆させていただく 外装劣化診断士かつ建築物石綿含有建材調査者の 桑島 です!
南相馬市や相馬市で非常に多くご相談を受ける”スレート瓦” メーカーによってコロニアルやカラーベストなど様々な呼び名がありますが、総じて薄いセメント製の屋根材です。
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今、全国的にこの屋根材を塗装したことによるトラブルが多く、非常に問題になっています。皆様がトラブルの当事者になってしまわないよう、解説させていただきます!
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目次
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- そもそもスレート瓦って何?
- 無石綿(ノンアスベスト)スレート瓦でどんなトラブルが?
- 無石綿(ノンアスベスト)スレート瓦の見分け方って?
- じゃあどうやってメンテナンスしたらいいの?
- 終わりに
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そもそもスレート瓦って何?
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一般的にスレート瓦やコロニアル、カラーベストなどと呼ばれる屋根材は、85%のセメントに残り15%の繊維質を練りこんで成形したもので、セメントと繊維質が補い合う事で耐久性も良い建材です。
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種類によって大小ありますが、おおよそ4.5㎜ほどの厚みのシンプルな建材です。焼き物の瓦に比べて重量が半分以下と軽量であり耐震性能が高いことや、現場での切断などの施工が容易な事から非常に多く使われています。
ここ南相馬市や相馬市でも人気の建材です。
一方で弱点としては寒さに弱い事があり、北海道では一棟も施工されていないと言われています。
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また意外なことに主成分のセメントには防水性が無いため、塗装などによる防水のメンテナンスが欠かせない建材です。
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工場出荷時に表面が塗装されていますが、この塗装が紫外線により劣化してくると防水性が低下してしまうため、漏水してしまう前に定期的なメンテナンスが必要な建材となっています。
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無石綿(ノンアスベスト)スレート瓦でどんなトラブルが?
先ほどは内容成分に15%の繊維質が混入されていると書きましたが、かつてはこの繊維素材に石綿(アスベスト)が使用されていました。
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石綿(アスベスト)は安価に製造でき、燃えにくく、断熱性があり、とりあえず何にでも混ぜれば耐久性が増す夢のような素材でしたが、皆さんもご存じの通りある一つの致命的な欠点があります。
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石綿を吸い込むと癌にかかるリスクが爆発的に上がってしまうという事で現在使用は実質的に禁止されています。
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石綿(アスベスト)の使用が制限されたことで、各メーカーはアスベストの使用を15%から10%や5%、3%に減らしたりなどの対応を行っていましたが、2006年には内容成分の0.1%未満に制限する法改正が行われました(実質的な禁止)。
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現在では石綿(アスベスト)が混入されているスレート瓦は製造されていません。
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しかし石綿(アスベスト)の禁止に対して、代替品の繊維質の性能が当時の技術では足りず、2000年代以前の石綿(アスベスト)含有率が低いスレート瓦では著しく脆い物が全国的にトラブルになっています。
南相馬市や相馬市でも散見される、無石綿(ノンアスベスト)スレート瓦の代表的な劣化を紹介します。
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①表面の欠損
一部だけ欠けが生じてセメントの白い素地が露出しています。全体的には黒く表面の塗装がそんなに傷んでいるようには見えないのに、一部だけ劣化が著しいのが特徴です。
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②ひび割れ
こちらも周辺の傷み方に対して急激に傷みが激しく見える事が無石綿(ノンアスベスト)の特徴です。
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③層間剝離
特に要注意な劣化状況です。浸透した水分が内部で膨張し、それから乾燥する事で内部に隙間を生じてしまい、スレート瓦が何層にも分かれ内部がスカスカになっている状態です。
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いくら表面を塗装により防水メンテナンスしても、内部がスカスカなのでボロボロと瓦が欠ける事が止まりません。人が上に乗っただけで簡単に割れてしまい、塗装によりメンテナンスするのが難しい状態です。
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新築したハウスメーカーや工務店に対しての苦情・トラブルはもちろんですが、知識のない業者が塗装してしまった事による「塗装したのに劣化や欠けが止まらない、むしろ酷くなっている!」というトラブルも後をたちません。
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トラブルを防ぐために、お客様自身でも知識を付け、正しい施工方法をとってくれる業者を選び抜く必要があります。
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無石綿(ノンアスベスト)スレート瓦の見分け方って?
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建物に使用されているスレート瓦が無石綿(ノンアスベスト)か判断していくためには、築年数や図面の仕上げ表、実際の目視確認など総合的に判断していく必要があります。
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①築年数を確認しましょう。2006年以降であれば間違いなく石綿(アスベスト)は使用されていません。
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②建物の図面一式を確認します。仕上げ表の欄、屋根材の項目には建材の商品名が書いてあることが多く、築年数と照らし合わせます(不親切な工務店だとない場合もあります)。
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ここで注意したいのが、同じ商品でも製造年月により石綿(アスベスト)の含有割合に変動がある事です。製造年月はおおよそ新築した年月と相違ないはずですので、含有割合により無石綿(ノンアスベスト)か判断できます。
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③最後は必ず目視確認しましょう。図面と違う建材を使用している事も非常に多いです。すべて同じ形に見えるスレート瓦ですが、各商品により微妙に形状の違いがあります。
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ご留意いただきたいのが、状態により塗装できる場合もあるという事です。実際の目視確認が一番重要で、石綿(アスベスト)が0%でも状態が良ければ塗装は可能ですし、逆を言えば石綿(アスベスト)の含有率が5%だろうが15%だろうが状態が悪ければ塗装は難しいという事です。
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じゃあどうやってメンテナンスしたらいいの?
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主流のメンテナンス方法を3種 ご紹介します。
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①塗装
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前述したとおり、無石綿(ノンアスベスト)スレート瓦でも塗装できる場合がありますので、実態・状況を確認しながら施工を行います。
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しかし写真のように割れた屋根の補修跡だらけになってしまう事も多く、結果的にほとんど長持ちしません。
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縁切り作業といい瓦の下に隙間を作る事も必要であり、その工程も割れのリスクを増加させます。劣化を早めただけで終わる場合もあり、塗装を行う判断は慎重にすることをお薦めします。
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②カバー工法(重ね葺き)
既存のスレート瓦の上に新築時と同じように防水シートを敷き、軽量な金属製の屋根材を葺いていく工法です。
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葺き替えの剥がす手間・処分費が削減でき、既存屋根を剥がしたことによる雨漏りのリスクも回避できるため、無石綿(ノンアスベスト)スレート瓦の改修に一番お薦めと言える施工方法です。
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屋根の重量が1㎡あたり5kgほど増加してしまうほか、形状が特殊なスレート瓦や雨漏りで下地の合板が腐食している場合などは施工できませんので注意が必要です。
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③葺き替え
一番間違いないメンテナンス方法ですが、一番時間もお金もかかる方法となります。
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カバー工法適用の金属素材だけでなく、焼き物の瓦など多種多様な建材を使える事が魅力です。
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カバー工法と比べ費用が20~40万程増額してしまうため、こだわりがなく、下地の腐食などどうしても選ばなければいけない場合以外は選ばれる方は少ないです。
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終わりに
スレート瓦のメンテナンス方法は、皆さんやはり「他の工法と比べできるだけ安価な塗装で施工したい」と考えられる方がほとんどです。しかし同時に「金額で選んで最終的に失敗するのは避けたい」とも考えているはず。
塗装できるか・塗装しても劣化を早めるだけかは一般の方には非常に判別が難しい内容です。
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そもそもその世代のスレート瓦のメンテナンスでその話題に触れず塗装だけで提案してくる業者は論外で、きちんと説明したうえで納得できる根拠を提示しメンテナンス方法を提案してくれる、間違いない業者を選びましょう。
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